
IELTSって一体何?
IELTS とは International English Language Testing System の略で 、英語圏の大学に進学、就労、移住を目的とする人が英語力を測るための試験です。IELTSはブリティッシュ・カウンシル、IDP education、ケンブリッジ大学英語検定機構が運営するテストであり、世界で毎年350万人以上の人々が受験しているほど、年々IELTSの需要が高まってきています。海外への留学や移住に必要な英語能力を証明する試験として、世界中にある多くの教育機関や専門機関でIELTSが受け入れられるようになりました。
IELTSはイギリス発祥の英語試験であるため、基本的にはイギリス英語が収録されております。
IELTSの試験では、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つの技能を測定します。試験の所要時間は約2時間45分です。最後に実施されるスピーキング試験は、各受験者にテスト開始時間が割り当てられますので、試験時間が遅い方だと丸一日かかってしまう場合もあります。
IELTSにはIELTSアカデミックとIELTSジェネラル・トレーニングの2つのタイプがあり、目的によってどちらのモジュールを受けるのか変わってきます。
IELTSアカデミックは、英語圏の大学や大学院に留学する方が取得する試験です。したがって、試験内容は大学での講義や学術的な場面が多く、IELTSジェネラル・トレーニングよりもよりアカデミックな内容となります。
一方、IELTSジェネラル・トレーニングは、海外での就労、移住を希望する方が受ける試験ですので、現地の生活に困らない英語力があるか判断するためのものになります。試験内容は主に日常会話や職場環境になります。
IELTS試験の概要
受験方法は筆記かコンピューターかの2択になりますが、IELTSのスピーキングのみ共通して面接官との対面式面接となります。
日本では2019年よりコンピューターでの受験が採用されました。
より個人で集中して受験したい場合はコンピューターを選択するのも一つの手です。
筆記で受けるかコンピューターで受けるかは、それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、自分に合った方法を選択するようにしましょう。
詳しくはこちらをご参照ください。
また、IELTS試験の構成ですが以下4つのセクションから成り立ちます。
セクション | 問題数 | 時間 |
リスニング | 40問 | 約40分 |
リーディング | 40問 | 60分 |
ライティング | 2問 | 60分 |
スピーキング | パート1,2,3 | 約14分 |
▼リスニング(IELTSアカデミック・ジェネラル共通)
セクション1 2人で話す日常会話
セクション2 日常を題材とした演説
セクション3 2~3人による会話、討論
セクション4 学問的な内容とした演説
👉IELTSリスニング概要
▼リーディング
IELTSアカデミック
アカデミックな内容の長文問題3つ
IELTSジェネラル
広告や職場関連の短文、及びややアカデミックに近い長文問題、計3つ
👉IELTSリーディングアカデミック概要
👉IELTSリーディングジェネラル概要
▼ライティング
IELTSアカデミック
Task 1 図表問題
Task 2 課題に対するエッセイ
IELTSジェネラル
Task 1 手紙形式
Task 2 課題に対するエッセイ
▼スピーキング(IELTSアカデミック・ジェネラル共通)
パート1 家族や住んでいる場所など、日常的な質問
パート2 お題に対する2分間のスピーチ
パート3 パート2をさらに深掘りした質問
TOEFLとの違い
TOEFLはETSが主催するアメリカ発祥の英語検定試験です。
IELTSと同様、海外の大学に留学する際に語学力の証明としてTOEFLのスコアを提出することができます。TOEFLには筆記試験はなくリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングのテストは全てコンピューターを使って受験します。
また、IELTSとの大きな違いはイギリス英語を採用するIELTSとは対照にTOEFLではアメリカ英語を使用しています。
アメリカ英語とイギリス英語とでは、英語の発音であったり英単語のスペルが異なる他、同じ語彙でもそれぞれ違う単語を使用します。
例えば、集合住宅を意味する「アパート」をアメリカ英語では "apartment"、イギリス英語では "flat" と表現します。
アメリカ英語に慣れている方ですと、ぱっと聞いた時に何を指しているのか混乱するかもしれません。
その上、イギリス英語ではイギリス英語独特な言い回しなども存在するため、IELTSを受験する際はイギリス英語に慣れておく必要があります。
IELTSとTOEFL、両方の特徴を把握した上で、どちらが自分に合っているのか見極めましょう。当校ではカウンセリングを通してどちらが生徒様にとって有利か、適切なアドバイスを差し上げます。
IELTSの評価基準
IELTSのスコアは0.5刻みで0から9段階で評価されます。
スコア | レベル | 基準 |
9.0 | エキスパートユーザー | 十分に英語を駆使する能力を有している。適切、正確かつ流暢で、完全な理解力もある。 |
8.0 - 8.5 | 非常に優秀なユーザー | 時折、非体系的な不正確さや不適切さがみられるものの、十分に英語を駆使する能力を有している。慣れない 状況においては、誤解が生ずることもありえる。込み入った議論に、うまく対応できる。 |
7.0 - 7.5 | 優秀なユーザー | 時折、不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を駆使する能力を 有している。複雑な言語も概して上手く扱っており、詳細な論理を理解している。 |
6.0 - 6.5 | 有能なユーザー | 不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、概して効果的に英語を駆使する能力を有している。 特に、慣れた状況においては、かなり複雑な言語を使いこなすことができる。 |
5.0 - 5.5 | 中程度なユーザー | 部分的に英語を駆使する能力を有しており、大概の状況において全体的な意味をつかむことができる。ただし、 多くの間違いを犯すことも予想される。自身の分野においては、基本的なコミュニケーションを行うことができる。 |
4.0 - 4.5 | 限定的ユーザー | 慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言語は使用できない。 |
3.5 | 非常に限定的なユーザー | 非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションが頻繁に途絶える。 |
もちろん志望大学にもよりますが、留学に必要なIELTSのスコアは、大体6.0~7.5を必要とされます。
ちなみに日本人の平均点はOverall 5.8です。
英語の基礎を固めしっかりと試験対策を行えば6.0~6.5は十分狙える範囲です。しかし、7.0となりますと壁は高いです。特にライティングでは幅広い語彙を使用すること、テンプレートに頼らない文章構成を行うこと、論理的に話を展開させること、そしてコンプレックスセンテンス(複文)を使うなどして、エッセイを書く必要があります。これらのスキルを習得するには、知識と時間を要します。
IELTSを効率よく学習するには?
IELTSはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキング、それぞれに合った試験対策をしなければならなく、漠然とした英語の勉強だけではよい結果は出ません。その上、IELTSはひっかけ問題も多く含まれるため、コツやテクニックを知る必要があります。
つまり、英語力とは別にIELTS独特のスキルも身に付けなければなりません。
IELTSを独学で勉強しようと考えられる方もいるでしょう。もちろん、それで目標スコアを獲得できるのであれば問題ありません。
一方、ライティングとスピーキングにおいては、実際に書いて話して実践しない限りスコアに反映させるのは難しいです。特にこの二つのセクションは、自分が考える解答に対して第三者によるアドバイスは欠かせません。
外部の添削サービスなどを使うなどするのも一つの手でしょう。
また、IELTSのスコアを0.5~1.0上げるためには、一般的に約3か月かかると言われています。期限がある方ですと、自分に合わない対策を取ってしまえば時間の無駄になりかねません。限られた期間で目標スコアを達成するのには、IELTSを専門とする講師からレッスンを受けることも考えてみましょう。特にお仕事で忙しい社会人の方や学校が近くにない地方住みの方は、IELTSをオンラインで学ぶのも一つの方法です。 そして、短期間で効率よく点数を上げたい方は、日本人講師から学ぶのが最短の道となるでしょう。
詳しくはこちらのブログページをご参照ください。
まとめ
- IELTSとは、イギリス発祥の英語検定試験。
- 海外の大学に進学する際に必要な IELTSアカデミックと海外で就労、または移民を目的とする際に必要なIELTSジェネラル・トレーニングの2つのタイプがある。
- 筆記またはコンピューターを使っての受験を選択することができる。
- リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング、4つのセクションから成る。
- IELTSのスコアは0.5刻みの9段階で評価される。
- ライティングとスピーキングを独学で学ぶのには限界がある。
- 最短で効率よくスコアアップを目指すのであれば、日本人講師から学ぶのが現実的。
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