IELTS 8は可能か?目指すはバンドスコア8.0

IELTS 8.0レベルとは?

海外の大学や大学院留学、海外での就職や移民などで必要な英語力の証明として使われているIELTSですが、8.0を取得するにはそれなりの努力と時間を要すると思ってください。
IELTS 8.0を他の英語試験に換算すると、TOEICは満点、英検だと1級が取れるレベルで、TOEFL iBTでは110~114点と言われています。ネイティブがIELTSを受験したとしても8.5くらいのスコアと言われていることを考えると、とても高いレベルです。

IELTS 8.0以上が必要になる場合

IELTS  8.0以上を要求される機関は非常に少ないと言えます。
カナダの大学では、総合スコア6.5から7.0で十分です。アメリカの一流大学のpostgraduateコースでも、ほとんどの場合は7.0が必要とされます。イギリスのOxford 大学でも、大学進学には7.0、大学院進学は7.5を要求します。
もちろん学部により最低スコアが違います。教育関連の学部やナーシング関係、法律関係は高く設定されているところが多いようです。もちろん目標を高く持つことはいいことだと思いますが、今の自分のレベルを考慮して、本当にその目標スコアが実現可能かどうかを判断しましょう。

IELTS 8.0は実現可能か?

当校の講師のほとんどが、総合スコア8.0を達成しております。頑張れば達成可能なスコアではあります。しかし、努力と苦労を乗り越えてきた成果ですので、一日3時間、最低でも6か月から8か月の準備期間が必要でしょう。もちろん元の英語能力によって勉強時間と準備期間は大幅に変化します。

IELTS 8.0に必要な勉強時間

一般的にIELTSのスコアを0.5上げるのに3か月かかると言われています。しかし、5.5から6.0を到達するのが一番簡単で、6.5から7.0に上げるのはより難しいと言われています。つまり、仮に今が7.0だったとして、8.0に上げるには、毎日定期的に勉強を行って(最低3時間)最低でも6か月かかると考えられます。
また、単に英語ができる、すらすら話せるだけではなく、物事を客観的・批評的(クリティカル)かつ論理的に考えられるかどうかがスピーキング、ライティングのスコアで8.0の鍵となります。つまり、様々な社会問題における一般的知識、常識的な考え方を持つことが求められます。英語力以外に、論理的な考え方を養うことに、より時間がかかると思ってください。8.0を目指す場合は、「the economist」などの専門誌の記事のリーディングに挑戦し、世界のニュースや社会問題への対策などに対する知識を増やすことが重要です。

IELTS8.0 達成のためのおすすめ教材

IELTSスコア8.0を目指す場合におすすめの教材は、ケンブリッジの問題集(1-15)です。いわゆる過去問と言われているナンバーシリーズになります。解説はついていませんが、本番に近い形式と難易度ですので、リーディング・リスニングは自分の正答数でスコアを把握することができます。

ライティング、スピーキング等のおすすめ教材はこちら

リーディング(アカデミック)

バンドスコア9.08.58.07.5
正解数39~4037~3835~3633~34

リスニング(アカデミック・ジェネラル共通)

バンドスコア9.08.58.07.5
正解数39~4037~3835~3632~34

IELTS 8.0を取るためのセクションごとの勉強法と対策

リスニングの概要と対策

総合スコア 8.0を目指すのであれば、リスニングセクションで8.5以上は取っておきたいところです。上記のスコア換算にもあるように、40問中37から38問合っていないといけません。
リスニングで8.5以上を取るためには、ケンブリッジの問題集を時間通りに解き、解答を確認したら、間違った原因を分析します。単語を知らなかった、意味を取り間違えていたといった原因が考えられます。次に、スクリプトを見ながら聞き、知らない単語はしっかりと覚えましょう。スクリプトを見ながら聞いた後は、スクリプト無しでも聞き、全ての内容が理解できているか確認します。この一連の復習を終えて、しばらく時間が経ったら、もう一度本番を意識して問題に取り組み、間違いがないかどうか確認します。

IELTSのリスニングには、問題の読解力、つまり、問題の先読みテクニックが必要です。問題を先読みするには、読解力を付けることが重要です。また、言い換え表現に敏感に反応し、選択肢などのひっかけには十分注意しましょう。英語がアクティブに聞き取れることが大切ですので、TED Talksなどナチュラルスピードの英語が聞ける教材を利用して、リテンションの練習をしましょう。

リテンションのやり方はこちら

リーディングの概要と対策

総合スコア 8.0を目指すなら、リスニングと同じく、リーディングも、少なくとも8.5、できれば9.0(満点)は取っておきたいセクションです。リーディングでは、1つミスしても満点を取ることができます。上記のスコア換算表を参照してください。

リーディングのセクションで9.0を取るためには、ケンブリッジ問題集を一度時間通りに解いた後、知らない単語や文法を調べ、訳せない文はないか、どこから質問の答えを導き出したのかを確認しましょう。知らない単語はなるべく覚えるようにします。

また、8.0以上を目指すのであれば、IELTSの課題にこだわらず、読解力や創造力を高めることが大切ですので、英語の小説や、「the economist」などの雑誌を毎日読むことも効果的です。読むことを習慣化して、むしろ、IELTSのリーディングが簡単と思われるようになるといいですね。語彙力も大切なので、様々な種類の雑誌(ニュース、小説等)から語彙を習得して、IELTSのリーディングにわからない単語がほぼない状態が理想です。

ライティングの概要と対策

ライティングが一番点数が取りにくいセクションだと言われています。採点が厳しく、ここで8.0を目指すのは難しいため、リスニング、リーディングのインプットで8.5以上を取り、ライティングでは、7.0~7.5を目標とすることが一番現実可能だと思われます。

ライティング採点基準の確認

まず、ライティングセクションの採点基準4つを把握しましょう。この基準はタスク1、2共通です。

  1. Task Achievement(質問にきちんと答えているか)
  2. Coherence and Cohesion(内容の一貫性と論理性)
  3. Lexical Resource(語彙の豊かさ)
  4. Grammatical Range and Accuracy(文法の正確さと複雑さ)

下記のIELTSの公式 “Band Description” を参照して、バンドスコア 8.0以上のライティングには何が求められるのか把握しましょう。

  1.  Task Achievement:質問に答えているか?

    Task Achievement はとても重要です。特に、ライティングで7.0以上の高得点を目指す人は必ず意識しておかなくてはなりません。ライティングの構成を考える際、設問にしっかりと答えられているかを確認しましょう。タスクで聞かれていることは何か?最近の社会問題とどう関係しているのか?とクリティカルに問題の主旨をつかみましょう。そして、必ず試験官が期待している答えを提供すること。つまり、奇抜な考えは必要なく、一般論を事実でバックアップしていきます。

  2. Coherence and Cohesion:一貫性と論理性

    論理性とは、論理的な展開ができているか、自分の主張や結論を引き出すための論理的な根拠を述べられているかどうかで判断されます。また、内容に一貫性があるかどうかも見られます。一貫性は、一つの考えについて、焦点がずれることなく言及されているかどうかで判断されます。こちらもライティングで7.0以上の高得点を目指している方には非常に重要な採点基準です。

  3.  Lexical Resource:語彙の豊かさ

    アカデミックな単語や言い回しが適切であるか、同じ単語を繰り返し使っていないか、スペルなどのミステイクはないか等が見られます。Task 1でも、Task 2でも、同じ表現や単語を繰り返し使わず、語彙の豊かさを強調しましょう。IELTSのライティングは減点方式で、間違いはどんどん点数を落とす原因となります。まずは減点対象となるミスをなくしていくことが一番早くスコアアップにつながります。

  4. Grammatical Range and Accuracy:文法の正確さと複雑さ

    必ずしも長いセンテンスを書けば評価されるわけではありません。簡潔かつ分かりやすい文章を書くことが大切ですが、自分の意見を簡潔に文にするとなると、関係代名詞や分詞、and, so that を使った重文、while, although を使った複文などが自然に多くなります。多様な文章構造を正しく使いこなせると、短い文章でもインパクトを与えることができます。文の正確さ以外にも、様々な文法を使った文を書くことが高得点を取るためには必要となります。

    例文:Those who advocate implementing a judicial process of set punishments may argue that this would make criminal trials more efficient.
  • 単文とは:一つの文において、主語・述語の関係が1回だけで成り立っているもの。                       例文:Sugar makes people unhealthy. 
  • 重文とは:2つの文が and、but、or などで繋げられている文。                                                 例文:Sugar makes people unhealthy and it harms their teeth.
  • 複文とは:一つの主節と一つ以上の従属節がつながった文。Although、after、before、because、even if、asなどを使用した分のことです。                                                            例文:While some people will support it others will be against it.
  • 重複文とは:二つ以上の主節と一つ以上の従属節がつながった文です。つまり、重文と複文を繋げた文章です。            例文:Actually, I want to walk the dog because I love exercising , but I can only do that in the evening after dinner because I work during the day time.

ライティングで7.0以上を取るための対策とは?

① とにかく書くこと

まずIELTSのライティングのタイプ別の構成を学び、それを元に書いてみましょう。エッセイはとにかく書くことが大切です。書いて初めて上達します。その後、サンプルアンサーやモデルアンサー等を参照して、自分とは別の考えに触れましょう。また、そのトピック関連の記事を読み、topic 分野別単語や一般的な考えを学び、もう一度書き直します。自分での勉強が難しければ、添削サービスを利用して、自分の間違いと正しい書き方を学ぶのもいいと思います。 

② いい文章に触れるためにリーディングは怠らない

ライティングでは、高得点のサンプル解答を参考にすることもできますが、実際7.0以上の目標点数を取るには、プロの書いた「いい文章」に触れることが大切です。当校では「the economist」をお勧めします。英国大学院では必ず読むことが勧められる雑誌です。読者を引き付けるための文の構造のテクニックや流れ、展開などに気を付けて読んでいきましょう。最近の流行語も一緒に学べるので一石二鳥です。気の利いた表現をどんどん盗んできましょう。

③ 分野別単語を覚える

語彙力を増やす方法としては、トピック特有の単語を覚えていきましょう。ライティングで高得点7.0以上を取るためには、分野別単語(トピックスペシフィックワード)なしでは対応できません。常にそのトピックの関連記事を参考にして、知らない単語に出会う度に語彙を増やしていきます。

例えば、以下は Advertisement(広告)に関連した分野別単語です。

  1. celebrity endorsement
  2. marketing strategy
  3. social network
  4. Information overload
  5. censorship
  6. a media outlet 

スピーキングの概要と対策

スピーキングは意外と点数がとりやすいセクションです。難しく考えず、カジュアルに試験官と会話を楽しめばアカデミック用語を使用しなくても大丈夫ですが、8を目指す場合はパート3でいかに適切な表現ができるかが鍵となります。

スピーキングの採点基準を確認しましょう。以下の4つです。

  1. Fluency and coherence (流暢さと首尾一貫性)
  2. Lexical resource (語彙力)
  3. Grammatical range and accuracy (文法の正確さと複雑さ)
  4. Pronunciation (発音)

また、下記のIELTSの公式” Band Description” を参照して、バンドスコア 8.0以上のスピーキングには何が求められるのか把握しましょう。

  1. Fluency and coherence:流暢さと首尾一貫性

    沈黙、言い直し、繰り返しを最小限に抑えます。質問の意図を汲み取った上で具体例を入れ、わかりやすく説明しましょう。

  2. Lexical resource:語彙力

    ライティングと同様の評価基準です。幅広い語彙を正しく使い、同じ表現や単語を繰り返し使わず、語彙の豊かさを強調しましょう。

  3. Grammatical range and accuracy:文法の正確さと複雑さ

    こちらもライティングの採点基準と同じく、幅広い文法を正しく使えているかどうかが判断されます。関係代名詞、分詞等を取り入れて複雑な文法表現が口頭でもできるように練習しましょう。

  4. Pronunciation:発音

    理解しやすいクリアな発音ができる。この発音はアクセントのことでなはく、正しいイントネーションが出来ているかが問われますので、単語を覚える時は必ず正しい発音をチェックして使えるようにしましょう。

スピーキングで8.0を取るための対策とは?

① パート別の対策を練る

スピーキングは3つのパートに分かれていますが、パート別に採点の比重が違うわけではありません。すべて平均的にスピーキング力、英語のコミュニケーション能力が問われます。

パート1で聞かれることは日常的なこと、例えば家族、仕事、趣味等です。難しい単語を使う機会がパート1ではないと思いますので、カジュアルな回答でスピーキングの流暢さを前面に出しましょう。

パート2はスピーチ形式です。ここでは2分間、時間いっぱいまで話すことが大切ですので、トピックカードの3つのガイドラインに沿って答えるだけではなく、必ず具体例をいれるなど、内容を肉付けする練習をしましょう。

パート3は、日常会話から離れた抽象的な質問や、ライティングの課題のような質問をされます。ここでは自分の考え+例、詳細を付けてフルアンサーを心がけましょう。2つの事柄について聞かれた場合、その2つの事柄を対比させ、共通点と異なる点を指摘します。最近の社会問題の傾向を話した場合は、それに対する自分の考えも話す、もしくは問題点があれば解決策でまとめるなど、気の利いた答えがあれば 8.0も実現可能です。

② レコーディングする

スピーキングでは、自分の回答を録音してフィードバックをしていきましょう。文法のミステイクを見つけたり、もっといい表現ができないかをクリティカルに判断し、常に改善点を見つけていきます。初級者はどうしても回りくどい言い方をしてしまいがち。より簡潔に、適切に話せるかどうか確認していきます。

③ ひたすら練習する

録音した自分のスピーキングを聞いて、改善点を見つけ、納得するまで練習を繰り返しましょう。スピーキングはアウトプットの機会を増やすことが直接、流暢さにつながります。高得点を取るにはただ話せるのではなく、反復表現や冗長表現を減らし、多くの情報を簡潔に言えるようにしましょう。

まとめ:                                                                      IELTSスコア 8.0 は、しっかりと対策をすれば日本人でも十分達成可能なスコアです。早くてもIELTSを受験する6か月以上前から準備して、コツコツ対策を進めることを心がけましょう。高得点を目指す方の多くは、独学に限界を感じる方が多いのも事実です。実際に8.0を取得しているプロの講師からのレッスンを受けることは効率的にかつ時間を短縮されるためにも必要な投資と言えます。

IELTS8.0を目指すなら

Metropolitan Academy of English

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