IELTS ライティング 5.5の壁から抜け出す方法 【問題点6~10の対策】

IELTS ライティング5.5 の壁を破るにはその問題点を認識して、そのための対策を取る必要があります。
ライティングのスコアが5.5前後の方は、10の問題点についてチェックを行い、自身に当てはまる課題を対策していきましょう。

この記事では、以下の問題点6から10についてご説明します。

問題点1-5については、IELTS ライティング 5.5の壁から抜け出す方法 構成と問題点の確認で説明しています。

問題点6:ボディー 1 / 2 ともにfirstly, secondly , thirdlyのような決まりきった構成を使用している

IELTS ライティング タスク2のボディーに “firstly, secondly, thirdly” を使用した構成が悪いというわけではないのですが、”firstly…” を使って物事を序列する時は、最初に “there are several advantages in A” として、Aにはアドバンテージ(もしくはディスアドバンテージ)がいくつかあることを先に提示する必要があります。その上で、「まず初めに」と話を続けることができるからです。
ボディー1でその構成をとったのならば、ボディー2では違った構成にすると良いでしょう。

しかし、”firstly, secondly, thirdly” というのは非常に決まりきった形で、高得点(7.0以上)を狙うことは難しいとも言われています。

他の段落の運び方としては、問題点2で取り上げた「結論を述べた上で、その詳細を語る方法」があります。その方が話が発展していくため高得点がとれる構成となります。

話を発展させるキーポイントとして、自分の考えを決めたら、それはなぜなのか(why?)、そしてその例を挙げて(example) 、そのケース(もしくは逆のケース)を想定すると社会はどうなるだろうか?(alternative) というように、順を追った展開があります。

例えば、「Q. 固定刑罰 “fixed punishment” は厳しすぎる」という意見をサポートする場合、まず「なぜ厳しすぎるのか」を考えます。

(why?):脅されたり自己防衛など、否応なしに罪を犯さざるを得なかった人の場合には、多くの国で実施されているように、その状況を考慮に入れて刑罰の軽重を決めるべきだと思う。 
(example):例えば同じ窃盗であっても、自身の欲や意志で罪を犯した人は、いじめなど自己防衛で罪を犯さなければならなかった人よりも重度の刑罰を与えられるべき。
(alternative):もしこのような不公平な固定刑罰が実際にたくさんの国で導入されたら、【ここで仮定法過去構文が使えて、一石二鳥です!】人々、そして社会は公正と道徳性を失なってしまうでしょう。

このように idea → why → example → alternative と段落を発展させることができます。

例】
I would argue that the fix punishment system is too rigid, and a process of ‘flexible’ punishments is much fairer. The latter punishment system, which many countries use, leaves more room for compassion toward offenders who have been blackmailed or manipulated. For instance, under this system, if a thief is able to prove that he had been bullied into committing his crime, he should be sentenced to less prison time than a thief who had been motivated by greed. If, instead, fixed punishments were implemented, this sense of fairness and morality would be lost. 

満点がとれる段落の構成です。ぜひ参照してください。 
ちなみに、IELTSのエッセイでは「ことわざ」は使用しないようにしましょう。決まり文句と同様、点数にはつながりません。

問題点8:良い表現を使う努力は見られるが、不適切に使用している

IELTSライティングではアカデミック表現を適切に使うことでスコアアップが可能です。適切に使われているかどうかを知るにはライティングの添削を受けるのが一番ですが、ここでは自分でできる方法をご紹介します。

アカデミックな表現を習得するために、毎日少しづつ覚えていく努力をしましょう。
まずは不適切な文法の使用がないようにリーディングの使用例から覚えていくこと。
また、例文を必ず参照すること。問題点3・4で挙げた重要な接続詞もしっかり抑えておいてください。

覚えておくと便利な表現をピックアップしました。

1. in order to 
“to”「~するために」の代わりに使う。
例】In order to understand B, we need first to understand A.

2. to that end 
「~を達成するために」という意味です。”end” は目的という意味もあります。(「終わる頃になって」という意味もあるので注)
例】He was aiming to get into the school swimming team, and to that end he swam every evening.

3. another key thing to remember/ another key point to remember/ another key fact to remember
「~もまたあります」という表現です。
例】Another key point to remember is that you are not alone. 

4. もちろん、not only A but also B の構文も有効です。
例】She is indeed a reliable person not only as a partner but also as a close friend. 
注意することはAとBが同等であることです。この場合は名詞がどちらも入っていますね。
さらに、AとBに文章が入ることがあることにも注意してください。
その場合は “not only” という否定副詞(”never” や “hardly” など)が文頭にくるので、後ろにつく文章に倒置(主語と動詞が入れ替わる)が起こります。
例】Not only did I go to his place, but also I went to his brother’s place. 
というわけです。

5. having said that ( that being said ) 
これもとてもいい表現です。「とは言ったものの」と訳します。”However” のような意味です。
例】I hate Japanese food. Having said that, I eat Tempura. 

6. cast doubt on 
「~を疑う、疑問を投げかける」という意味で “doubt” と同じような意味です。
例】The latest technology casts doubt on the effectiveness of the social media. 

7. not to mention
「~は言うまでもなく、~はさておき」という意味で、
例】It is a very nice gift, not to mention it is expensive. 
のように使いますが、必ずしも文をつなげるものではなくて、文の構成によっては後ろに名詞や動詞、形容詞が来たりします。
例】The cake has a lot of nuts and spices, not to mention chocolate chips. 
対象となっている品詞は同じでなければいけません。

8. with that (this) in mind, 
「このことを考慮して」という意味で “considering that” と同じような意味になります。
例】With that in mind, I believe computer is good for children. 

これと少し似ていますが
“all things considered” =「(既に上記に挙げた複数のポイント)を考慮すると」という意味で
“in conclusion” の代わりとして結論を述べる際に使えます。
その他の言い回しで、”in light of/ in view of” も使えます。これも「~を考慮して」の意味です。
例】In light of (in view of) new evidence, we will have a new trial. 

9.  and yet xxx 
“yet” は「しかし」という意味もあり、”but” に置き換えられます。注意点としては、”and” が前にきて使われるパターンがほとんどですのでセットで覚えてください。
例】I take no action and yet I expect things to happen. 

10. coupled with 
「~に加えて」という意味なので、 “in addition to” と同じように使われます。
例】Coupled with economic growth, Japan has increased use of natural resources.

問題点9:同じ表現(冗長表現)が多い

IELTSライティングで嫌われる冗長表現。自分で書いているとなかなか分からないものですが、構成をまとめる段階で書くことをきちんと整理すると、避けることができます。また、適切な接続詞を入れることで解決する場合も多いです。

例】The skill can be acquired easily when in childhood rather than in adulthood. When we are adults, it will take a long time to learn this skill.

 1文目と2文目でほぼ同じ内容を言ってますよね。構成を練る時に、「大人になるとそのスキルを得ることは簡単ではない。」としたら、そのあと何を持ってきますか?
「なぜなら、子供のようになんでも吸収できる能力が大人は衰えているからです」、または、「言い換えると、大人になるとそのスキルを習得するのはもっと時間がかかる」ということができます。

→ “This skill can be acquired easily when in childhood rather than in adulthood. This is because children can absorb a lot of information better than adults.” もしくは、”In other words, it will take a long time to learn the skill when we are adults.”  になります。

このように書く道筋をたてるため、そして反復を避けるためにも、書く前に構成をしっかり立てることが必要です。しっかりと構成を立てた人は、書くという作業自体にあまり時間を費やさなくてよくなります。つまり、構成をしっかりと立てておくことが、最終的には書く時間の短縮にもつながるのです。

この他、単語レベルの冗長表現として、

  • advance planning – why? 計画は事前に行うものです。➡planning だけで十分です。
  • combined together – why? 組み合わされたものは一緒に決まっています。➡combine を使う時はtogether 抜きで
  • cash money -why? 現金はお金に決まっています。➡money だけで使用します。
  • green in color – why? 緑は色以外に何をあらわしますか ➡green だけで使用しましょう。

問題点10:意味が明確でない文章がある

 IELTS ライティングで重要な着目ポイントのひとつですが、文章の意味が不明確になってしまう問題点があります。
前回、問題点7で指摘したように名詞と動詞の呼応にも関係しますが、不合理な推論 になっていないかどうか(原因から論理的に導かれない結果を述べているもの)、注意しましょう。

一般的に理由が理由になっていない例です。

例】I turned in the paper; therefore, I will pass the class?

また、唐突に前の文との関連性がわからない文が続く場合
例】I would like to invite you to the party. Children are all friendly?, so you would enjoy it. 

文と文とはお互い密接に関わっています。順番を間違えると全体の意味が変わってしまったり、上記の “Children are all friendly?” のように、文章が突然浮いてしまいます。しばらくたってから読み返して、全体として意味が通じるか確認することが大切です!!

文を論理的に書く上で重要なパラレリズムについて

文章中の類似した部分はすべて同じように書きましょう。そうすることによって、効果的で読みやすい文章になります。
例えば、名詞を使ったのならば、名詞を並列させましょう。時制も統一した方がいいですね。”and” で繋ぐときは品詞だけでなく、時系列、程度などにも気を付ける必要があります。

a) 時制
○ This morning, I washed, waxed and vacuumed the car. 
× This morning, I washed, waxed and then I was vacuuming the car.

b) 能動態と受動態
○ I was worried that Robert would drink too much and the police would stop the car. 
× I was worried that Robert would drink too much and the car would be stopped by the police.

c) 比べている所
○ He is not only kind but also very handsome. 
× He is not only kind but also is very handsome.

d) 品詞
○ I was nervous and frightened, but my sister was confident and carefree. 
× I was nervous and frightened but my sister had confidence and was carefree.

e) 時系列や程度
○ Misuse of the drug can result in fever, dizziness, or death. 
× Misuse of the drug can result in death, dizziness or fever.

f) 前置詞が重複する場合
○ We will see you on April 20 and May 20. 
× We will see you on April 20, and on May 20.

※前置詞が違う場合はすべて書き出すこと
○ Ants are on the living room floor, on the dining room table and in the sink.

g) リスト
○ I like activities such as sports and cooking. 
× I like activities such as sports and cooking class.

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