IELTS アカデミック リーディングの概要と対策

IELTSアカデミックリーディングの構成

IELTSのアカデミックリーディングは、制限時間60分で、合計40問で構成されています。
2ページ程に渡る長文が3つ(3パッセージ)出されます。
パッセージの内容はアカデミックな内容が中心になります。

パッセージの内容
  • 社会、歴史、科学、伝記、自然、技術、地理
  • ニュース、時事問題はない
  • 政治、宗教、経済は出ない傾向
  • 専門用語の知識は必要ない

60分で解かなければならないので、1パッセージ当たり20分で解くことを目安としましょう。
IELTS アカデミックのリーディングセクションは、1つ目のパッセージが一番易しく、2つ目・3つ目のパッセージの難易度はほぼ同じです。
IELTSのリーディングで高得点を目指す場合は、パッセージ1にかける時間をなるべく詰めていく必要があります。

IELTS アカデミック リーディングの概要 まとめ
  • パッセージ1〜3まであり、700〜1000語程度の長文(約2ページ分)が3つ出題され、それぞれの長文で12〜13問ほど出題される
  • 動物関連の記事や環境問題がテーマになることが多い
  • 基本的に各パッセージに20分の時間配分が王道だが、パッセージ1を15分で終わらせ、パッセージ2と3に20分以上を費やせるとよい
  • リスニングと違って、解答用紙に書き込む時間は与えられないので、解きながら直接答えを書き込んでいく

IELTSアカデミックリーディング特有の問題形式

IELTSのリーディングには、IELTS特有の問題形式があります。ジェネラルのリーディングと共通する問題形式もあります。
テストの質問文にそのまま出てくる定型文なので、是非覚えておきましょう。

① 要約穴埋め問題(選択式)

Write the correct letter, A-H, in boxes 27-29 on your answer sheet.

「解答用紙の27-29の中に正しいA-Hのアルファベットを入れてください。」
という意味で、本文の内容が要約されている文章の中に、適切な語句を選択する問題です。
注意点は本文のキーワードが書き換えられている可能性が高いので、同じ意味の単語を選択しましょう。

【例題 1】IELTS ケンブリッジ問題集 12 Test 8 からの抜粋

【解答 1】
19は本文では “No threat to human being” と書かれているため、解答は E の humans、
20は本文では “Roe deer, a species that has exploded in Britain in recent decades” と書かれているため、解答は D の wild animals、
21は本文では “presents little risk to sheep and other live stocks” と書かれており、解答は F の farm animals となります。22はどうでしょうか?
答えになる箇所を掲載しておりますので、解答を選んでみましょう。
(クリックすると解答が見えます)

本文 “with the aim to bringing forests back to parts of our bare and barren uplands”

解答 A. trees

② 情報穴埋め問題

Choose NO MORE THAN TWO WORDS from the passage for each answer.
(ONE WORD ONLY の場合もあります)

「それぞれの設問に対して、パッセージから2語以下を選びなさい。」
2語抜き出してもいいし、1語のみの抜き出しもできるという意味です。
ONE WORD ONLYと書かれている場合は、1語のみ抜き出しましょう。

【例題 2】IELTS ケンブリッジ問題集 12 Test 7 からの抜粋

このタイプの設問の特徴は、情報が1つの段落、もしくはその次の段落に記載されていることがほとんどです。
全く異なった3つ以上の段落から探してくることは稀で、本文の一部分に全ての情報が記載されています。

③ タイトルマッチング問題

タイトルマッチング問題は、本文の段落のタイトルとしてふさわしいものを選択肢の中から選ぶものです。
段落の一番最初の文章(トピックセンテンス)から答えがすぐにわかるものもあります。

この問題を解く時は、まず本文の最初の段落(Aの段落)を読み、選択肢から当てはまるものを選びます。
次にBの段落を読み、同じように選択肢の中からふさわしいものを選ぶ、というように、段落を読む度に問題を解いていくことをおすすめします。

【例題 3】IELTS ケンブリッジ問題集 15 からの抜粋

④ 文章穴埋め問題

Sentence completion と言われます。
ONE WORD or NO MORE THAN TWO WORDS(1語か2語)など、問題ごとに語数が指定され、本文から空欄に当てはまる適切な単語を抜き出します。
空欄に入るのは、ほとんどの場合名詞ですが、副詞など別の品詞が入ることもあります。
選択問題ではなく、本文から単語をそのまま抜き出して答える必要があります。
自分で品詞を変えたり(success → successful)、本文には複数形で記載されているのにSを落として単数形で書いたり、抜き出す時にスペルミステイクをすると、不正解となります。

【例題 4】IELTS ケンブリッジ問題集 15 からの抜粋

⑤ TRUE / FALSE / NOT GIVEN 問題

IELTSのリーディングで非常によく出る問題形式のひとつです。
設問の文章について “TRUE / FALSE / NOT GIVEN” または “YES / NO / NOT GIVEN” を選ぶ問題です。
この問題は、設問文が、本文に対して正しいか、間違っているか、与えられていない情報かを判断します。

よくあるケアレスミスが、それぞれの解答を略して「T」「F」「NG」と、頭文字だけ大文字で書き込んだりすることです。
自習する際は、どうしても頭文字だけを書いてしまいがちですが、解答用紙には省略せずに最初から最後までアルファベットを全て大文字で書くようにしましょう。

この問題は IELTS リーディング【TRUE / FALSE / NOT GIVENの違い】で詳しく紹介しています。

【例題 5】IELTS ケンブリッジ問題集 15 からの抜粋

⑥ 選択問題(人の名前)

本文に人名が2つ以上出てきた場合、それぞれの人の発言はどれかを選ぶ選択問題が出題される可能性があります。
人の名前に関する選択問題が出題された場合は、必ずそれぞれの人名に印をつけておいて、設問で言及されている内容にすぐ戻れるようにしてください。
設問で示されている情報は、ほとんどの場合、人名の前後に示されるため、印をつけておけば情報をすぐ探すことができます。

【例題 6】IELTS ケンブリッジ問題集 15 からの抜粋

🔴 NB You may use any letter more than once.
「一つのアルファベット(選択肢)を何度も使う可能性もあります。」

この注意書きがある場合は、ほぼ確実に同じ選択肢を2回以上使います。
逆にこの注意書きがなければ、それぞれの選択肢を1回しか使いません。

⑦ 選択問題(四択)

四択の選択問題には2パターンあります。

  1. 質問に対して適切な答えを選ぶ
  2. 設問文に続く適切な答えを選ぶ

2に関しては、設問の前半部分にふさわしいものを選ぶ場合もあります。

以下の例題では、設問文に続く適切な表現を4つの選択肢から選びます。この四択の選択問題の場合、設問は本文に記載されている順番通りに出題されます。

【例題 7】IELTS ケンブリッジ問題集 15 からの抜粋

⑧ 文章完結問題

matching sentence endings と言われる問題です。
本文の内容と一致するよう、設問文に続くのにふさわしいものを選び、文を完成させる問題です。
選択肢は設問の数より多いので、使用しないものもあります。
また、⑦と同様、設問は本文に記載されている順番通りに出題されます。

【例題 8】IELTS ケンブリッジ問題集 15 からの抜粋

⑨ テーブル完成問題(穴埋め)

本文からふさわしい単語を選び、表を完成させる問題で、穴埋め問題の一種です。
設問の順番は、本文に記載されている順番通りでない場合もありますが、基本的には文章全体から選ぶのではなく、1つの段落もしくは2つの段落など、本文の一部から解答できる問題です。
ほとんどの場合、ONE WORD ONLY もしくは NO MORE THAN TWO WORDS という語数の指定があります。

【例題 9】IELTS ケンブリッジ問題集 15 からの抜粋

IELTS リーディングにおける注意点

  • 書き込む時の注意点:スペルミステイクや複数形、単数形に注意
  • スペルミスに注意(抜き出し問題は特にケアレスミスを起こしがち)
  • 抜き出し問題は語数制限があるので注意
  • 「NO MORE THAN TWO WORDS」という語数制限・・・最大2単語まで
  • 「ONE WORD AND/OR A NUMBER」という語数制限・・・「1単語+数字1つ」または「1単語のみ」あるいは「数字1つのみ」という合計3つの選択肢

IELTS アカデミック リーディングスコア換算表


正解数に応じてバンドスコアが決まります。
目標スコアに応じて対策法も変わってきますので、自分に必要な正答数を覚えておきましょう。

スコア98.587.576.565.554.543.532.5
正解数 39-4037-3835-3633-3430-3227-2923-2619-2215-1813-1410-128-96-74-5

IELTS  アカデミックリーディング 目標スコアが4.5~5.5の場合

3つあるパッセージの中で、パッセージ1が一番易しいと言われています。パッセージ毎に設問は12から13問、易しいパッセージで正解率を稼ぎましょう。ここで10問正解すると、すでにスコアは4.0です。そのため、パッセージ1は本文を先に読むことをお勧めします。そして確実に解いていきましょう。残りのパッセージで9問から10問の正解率が必要ですが、こちらは本文を飛ばし読みします。飛ばし読みとは、段落最初の文章(トピックセンテンス)は必ず読み、必要ならば、2文目も読み段落の発展を推測しましょう。
3文目からは飛ばし、段落の最後の文章は読みましょう。そして全体的な段落の内容をおおよそ把握します。このように飛ばし読みをして、問題を解いていきますが、確実に解けると確信のある問題以外で、問題文の内容を本文中で探すのに時間がかかる問題は飛ばします。IELTS リーディングには問題文と本文の間で無数の言い換え表現があるので、言い換え表現を即座に見抜くことが大事なスキルと言えます。IELTSリーディングストラテジーを参照

IELTS アカデミック リーディング 目標スコアが6.0以上の場合

IELTS アカデミックのリーディングは時間との戦いとなります。
最初に本文をざっと読む(スキミングする)必要があり、大体のパッセージの構成 (ORGANIZATION) を把握します。

IELTS ケンブリッジ問題集 15-4 からの抜粋

The south coast of Peru is a narrow, 2,000-kilometre-long strip of desert squeezed between the Andes and the Pacific Ocean. It is also one of the most fragile ecosystems on Earth. It hardly ever rains there, and the only year-round source of water is located tens of metres below the surface. This is why the huarango tree is so suited to life there: it has the longest roots of any tree in the world. They stretch down 50-80 metres and, as well as sucking up water for the tree, they bring it into the higher subsoil, creating a water source for other plant life.

最初に本文全体に目を通す場合は、5-8分以内に抑えましょう。
その後、問題を1から読み、問題に関係がある内容が書いてある段落を素早く見つけて、その段落をじっくり読んで解答します。
いかに早く、適切な段落を探せるかが、解答にかかる時間を短縮させる大きなポイントとなります。
段落の内容をしっかりとメモするなど、どこに何が書いてあるか把握できるように読むことが大事です。

例えば、この段落では、HUARANGO TREEの生態系と木の特徴について書かれています。
IELTSのリーディングでは、問題用紙にメモすることが可能なので、段落の横にメモ書きをしておいたり、キーワードになるHUARANGO TREEに印をつけておくなど、内容を忘れない工夫が効果的です。

IELTS ジェネラル リーディング対策 セクション3 攻略法 も参照してください。

IELTS 対策ならMAE

Metropolitan Academy of English

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!