
IELTS ジェネラルとアカデミック
IELTSの試験は、その目的と難易度によってジェネラル・モジュールとアカデミック・モジュールの2つに分かれます。
ジェネラルモジュールのスコアは、主に移民申請の際の英語力判断のために使用され、アカデミックモジュールのスコアは、その名の通り大学・大学院進学やカレッジ進学の判断基準として使用されます。
日本では英語力の判断基準としてTOEICのスコアが使用されることが多くありますが、近年では会社の海外赴任などの要件にIELTSを用いることが増えてきました。
また、進学においてもTOEFLだけでなく、IELTSの需用が年々増加しています。
参考:
IELTS に関して(リンク先ページ下部参照)
こちらのブログでは、主にIELTS ジェネラルのリーディングの概要と対策についてご説明します。進学のためのIELTS アカデミックと移民のためのジェネラルでは、リーディングとライティングの問題が異なりますが、スピーキングとリスニングは同じ内容になります。
目次 | |
1. | IELTS ジェネラル リーディングの構成 |
2. | 目標スコアが 5.5 の場合の対処法 |
3. | 目標スコアが 6.0 以上の場合の対処法 |
4. | まとめ ~IELTS ジェネラル リーディングの問題構成~ |
IELTS ジェネラル リーディングの構成
- IELTS ジェネラルのリーディングテストは制限時間60分で合計40問から成り、3つのセクションで構成されます。
- セクション1は、旅行のアクティビティの紹介や、商品の紹介、求人広告といった広告関連の短文が2つ。
- セクション2は、イギリスの交通機関の説明や、カナダのビザ申請システム、職場のルールといった仕事関連の短文が2つ出題され、どちらも1ページ程度の文章です。
- ジェネラルのスコアが移民目的で使用されることもあり、セクション1・2については生活に関連したトピックが多くなります。セクション3は、様々なトピックの長文が1つ出題されます。アカデミックの問題ほど難解な語彙は少ないとはいえ、2ページに渡る文章の長さや、1つの文章に対する設問量はアカデミックと同等となります。
- IELTS ジェネラルのリーディング問題を解くにあたっては、比較的易しいセクション1・2をいかに素早く解き、セクション3にどれだけ時間を割けるかといった、速読力と精読力の両方が必要となります。
- 設問の配分は、セクション1で13問(1つの文章あたり6-7問)、セクション2で13問(1つの文章あたり6-7問)、セクション3で14問(長文1問)となります。
- 時間配分は、セクション1に15分、セクション2に15分、セクション3に30分を目安に取り組みましょう。
IELTS リーディングスコア換算表 ※ジェネラルのみ
スコア | 9 | 8.5 | 8 | 7.5 | 7 | 6.5 | 6 | 5.5 | 5 | 4.5 | 4 | 3.5 | 3 | 2.5 |
正解数 | 40 | 39 | 37-38 | 36 | 34-35 | 32-33 | 30-31 | 27-29 | 23-26 | 19-22 | 15-18 | 12-14 | 9-11 | 6-8 |
IELTSは英語力をバンドスコアという指標で表し、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの総合スコアをoverallで表します。カナダでの移民目的ですと、6.0が移民申請に必要な最低ラインの英語力だと言われていますが、目標スコアはそれぞれの職業や経歴、状況によって異なります。
IELTS ジェネラル リーディング 対策と勉強法
IELTS ジェネラル リーディング 目標スコアが 5.5 の場合の対処法
リーディングでの目標スコアが 5.5 の方は、比較的易しいセクション1と2のみを完璧に解答できるようにしておくという戦略をとることも可能です。
セクション1と2の合計で25-26問を正解することができれば、一番難しいセクション3を自力で全く解けなかったとしても、スコア 5.5 を取れるという計算になるからです。(セクション3を勘で解き、2,3問正解するという予測を含みます)この戦略を取る方は、セクション1・2に十分に時間をとって確実に解いていく方法をおすすめします。時間をかけても正答率が低い問題を解くよりは、なんとか理解できる問題に時間を掛ける方が得点につながります。
このように、自身のレベルや目標スコアによって、リーディングの問題に対する戦略が異なります。自分の読解力や語彙のレベルと、要件を事前に確認しておくようにしましょう。
IELTS ジェネラル リーディング 目標スコアが 6.0 以上の場合の対処法
リーディングの目標スコアが6.0以上の場合、40問中の30問以上正解しなければなりません。そのため、目標が6.0以上の場合、どうしてもセクション3の長文読解に時間を費して、正解率を高めていく必要があります。
セクション1とセクション2は、素早く解くために本文から読むのではなく(ただし段落マッチング問題に限り、本文のAの段落を先に読んでその内容が書いてある選択肢を選びます)、まずQuestion 1の問題文を読んで、その情報【言い換え表現】を本文中から探します。本文は上から読みます。1の解答がわかれば、今度は2の問題文を読み、本文を1の解答を抜き出せた箇所から続いて読んでいき、2の解答を引き出します。これを繰り返すことで、ジェネラルのリーディング セクション1・2を解いていくことができます。
つまり、ジェネラルのリーディングの解答は、パッセージの段落1から順番通りに引き出せることがほとんどです。
リーディングの解答は順番通り

※上記は解答の根拠となるものをメモしたものです。このように、問題1の解答はイントロダクションの中に、問題2の解答は次の段落の中にあります。とはいえ、段落ごとに答えがあるわけではなく、同じ段落に2つの解答がある場合もありますし、一つの段落に必ず解答があるわけでもないので気を付けましょう。
セクション1と2は、本文を読まずに情報を探し、言い換え表現を見抜くことが大切です。問題文のキーワードを本文から素早く見つけるスキルを身に付ましょう。ジェネラルリーディングの解き方とコツはこちら
セクション3では必ず先に本文に目を通しましょう。セクション3は、問題だけ読んで本文の該当箇所を探そうとしても、探すのに時間がかかりすぎてしまうため、先に本文から文章全体の展開を把握して、どこに何が書いてあるのかわかるようにしておきます。
セクション3はアカデミック並みの学術的なリーディングです。セクション1、2とは異なり、解答が順番通りになっているわけではありません。時間をかける問題と時間をかけない問題に分けて、残り時間内でセクション3の正解率を高めましょう。
リーディングのストラテジーの詳細はこちら
まとめ ~IELTS ジェネラル リーディングの問題構成~
トピック | 大問数 | 問題文の量 | 設問数 | 時間配分(目安) | |
セクション1 | 広告関連 | 2 | 1ページ / 大問1題 | 13 | 15分 |
セクション2 | 仕事関連 | 2 | 1ページ / 大問1題 | 13 | 15分 |
セクション3 | 様々なトピック(学術的な内容もある) | 1 | 2ページ / 大問1題 | 14 | 30分 |
IELTSジェネラルリーディングでは、目標スコアによって対策が違います。5.5を目指す方は、比較的易しいセクション1とセクション2に時間をかけて、正答率を上げていきましょう。
6.0以上を目指す方は、セクション1と2の本文を先に読まずに問題文から先に読み、解答に必要な情報を本文の上から順番に探していきます。セクション3は、残された時間内で正解率を高めるために、確実に答えられる設問に時間を割きましょう。
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当ブログでは、引き続きIELTSリーディングの対策と勉強法をご紹介します。