使役動詞・知覚動詞の受動態と-ing形による受け身表現

使役動詞の受動態

使役動詞、知覚動詞も受動態(受け身の形)になることがあり「-させられる」と訳します。

 意味例文
make強制The teacher makes the students study hard.
let許可Parents let their children play on the street.
have当然My boss have me copy the documents.

これらの使役動詞を用いた文を受け身の文にすると、以下のようになります。
※haveを使った受動態はありません。注意しましょう。

makeThe students is made to study hard by the teacher.
 その生徒達は先生に一生懸命勉強させられた。
letletを用いた文を受動態にする場合は、letをallowに書き換えます。
 The children is allowed to play on the street by their parents.
 子供たちは親に通りで遊ぶことを許可された。

知覚動詞の受動態

知覚動詞は、目や耳などの感覚から情報を得る動作を表した動詞で、see, hear, notice, look, watch, feel などがあります。知覚動詞は目的語のあとに動詞の原形が来る場合と、その動詞が -ing形かどうかで意味が変わってきます。

知覚動詞の対象と動作の関係

動作の一部始終を見たり聞いたりする場合は、対象の目的語の後ろに動詞の原形を置きます。
一時的に見たり聞いたりした場合は、対象の目的語の後ろの動詞を -ing形にします。

「一部始終の動作」における知覚動詞の受動態
使役動詞makeを受け身の文にする時と同様にto不定詞を用います。

  • I saw the girl cross the street.
    私はその女の子が通りを横切るのを見た(一部始終を見た)。
    ➡The girl was seen to cross the street.


「一時的な動作」における知覚動詞の受動態
to不定詞を用いず、-ing形をそのまま用います。

  • I saw the girl crossing the street.
    私はその女の子が通りを横切るのを見た(一時的にちらっと見た)。
    ➡The girl was seen crossing the street.

-ing形が受け身の意味を表す場合


want, need, require, deserve は、目的語にto不定詞だけではなく動名詞を取ることもあります。
しかし動名詞を目的語とした場合、その主語に対し受け身の意味を持ちます。
これらの動詞の -ing 形が受身の意味を表す表現は、イギリス英語でよく使われる表現です。

アメリカ、カナダなどの北アメリカではあまり使われない表現ですが、イギリス英語の表現を問われることが多いIELTSなどの受験を目指す方は、リーディングやリスニングで出題されることがあるため、覚えておくことをおすすめします。

  • The wall needs painting. 
    = The wall needs to be painted.
    その壁はペイントされる必要がある。
  • The car wants fixing.
     = The car wants to be fixed.
    その車は修理が必要だ。
    この “want” は “need” 「される必要」を表します。
  • The entire program requires changing.
    = The entire program requires to be changed. 
    その全体のプログラムは変更(されること)が求められている。
  • This picture deserves looking at.
    = This picture deserves to be looked at.
    この絵は見られる価値がある。

単純に受け身を表す場合とは異なり、
“You want me doing.” (補語meを伴って使われる形)
“You want me to do.” と同じように使われます。

混乱しがちな使役動詞・知覚動詞。
まずは基本的な原形不定詞を取る形を確実に覚え、次に受動態への書き換え表現もぜひ覚えてみてください。

Metropolitan Academy of English

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