倒置構文 2.【文法構造上の倒置】

前回までのあらすじと「文法構造上の倒置」

前回の倒置構文では、感嘆文にはじまり、否定的な要素、場所や運動、程度、補語、目的語が文頭にくる、「強調のための倒置」に焦点を当て、様々な用法を説明しました。まだ記事を確認していない人は、前回の記事を先にご覧ください。

重複にはなりますが、英語は通常「主語(S)+動詞(V)」という構成が基本となります。
しかし何らかの理由で「動詞(V)+主語(S)」と語順が変わった構文を倒置構文と呼びます。

今回は「文法構造上の倒置」に焦点を当て、解説をしていきます。「文法構造上の倒置」にはどのような用例があるのでしょうか?

so, neither, norで始まる文と節の場合

so, neither, norは皆様もよく耳にしたり、利用したりするかと思います。まずは具体例をあげましょう。

・I love cheese cakes – So do I! (私チーズケーキが好きなの。-  僕もだよ!)

同意を表す典型的な形ですが、Me too.よりもSo do Iのほうが「僕も僕も!」というニュアンスが出ているパターンです。

では逆に否定的な形はどのように表すのでしょうか?

・I’ve not seen her latest movie yet. – Neither have I. (まだ彼女の新作映画見てないの。- 私も見てない。)
・He didn’t see anyone, nor did he hear it. (彼は誰も見ていないし、何も聞いてない。)

このようにsoneithernorが文頭に置かれると、主語(S)と動詞(V)の倒置が起こります。
soは肯定、neitherとnorは否定の文脈で使われることも併せて覚えておきましょう。

asやthanなどの接続詞の節の場合

前回の「強調による倒置」の中でお話しした「位置や場所が文頭にくる場合」と同様、リズムの関係で倒置が起こる場合があります。
例として以下をご覧ください。

 I spend less than do eight out of ten people in my position. (私は同じ地位にある10人中の8人よりも、お金の使い方が少ない。)
Her two daughters agree, as does her mother. (彼女の2人の娘も母親も同意しています。)

asやthan構文を目にする機会は多いので、きちんと把握しておきましょう。

仮定の条件を示すif-節のifが省略された場合

時表現、最大のハードルとも言われる仮定法。苦手意識を持たれている方も多いのではないでしょうか?
仮定法はまた別でお話しをしますが、仮定を表す条件節において、ifが省略されると、倒置が起こります。

例題を見てみましょう。

 Had she not braked so quickly, she would have run over the child. (ブレーキを素早く踏んでいなかったら、彼女は子供をひいていたかもしれない。)
Were I to lose my job, we would have enough to survive for a year. (仮に仕事を失ったとしても、1年ほど生きられる蓄えはある。)
Should you have any questions, please feel free to contact me. (何か質問があれば遠慮なくご連絡下さい。)

上記のように、条件節内にshouldhadwereが含まれる場合、ifを省略することができ、倒置が生じます。一番最後の例文を、ifを復活させ書き直してみるとどうなるでしょうか?

If you should have any questions, please feel free to contact me.

この場合shouldが省略されることも多いですが、Should you have any questions…で始まる文は頻出英文法なので、しっかりと頭に入れておくことをお勧めします。

まとめ

文法構造上の倒置は、

・so, neither, norで始まる文と節、asやthanなどの接続詞の節、仮定の条件を示すifが省略された場合に使われる。
・文法構造上の倒置もよく見られる用法なので、英文を読む際に注意を払いましょう。

2回に分けて「倒置構文」をお話ししましたが、ここまで深い構文であったことに驚く人も多いはずです。

今後IELTS/TOEFL/TOEIC対策をしていく中で、倒置構文をリーディングセクションで見かけることや、ライティングで利用する場面もあると思います。「強調による倒置」「文法構造上の倒置」を少しでも生かして、スコアアップを目指しましょう。

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