that節と関係代名詞thatの違い – 【関係代名詞thatを知ろう】

that節と関係代名詞thatの違いを知ろう –  [関係代名詞that]編

文法を勉強していく上で必ずぶつかる、that節と関係代名詞that。避けて通れないが故に、「何が違うの?」という質問も多く頂きます。今回は、関係代名詞thatについてお話をしていきます。

そもそも「関係代名詞」とは何のことでしょうか?日本語にない概念が故に理解しづらく、混乱してしまうのも当然です。

関係代名詞は「関係詞」と呼ばれる品詞の仲間で、文の前後を繋げる役割を持つものです。
簡単に言えば、「関係代名詞はその前にある名詞について、これから説明をする」という目印になるものです。

その中でも便利な表現として利用されるthat。関係代名詞「that」は、先行詞が人や動物、物、事の場合に使われ、
Which, Who, Whomの代わりに利用することが出来る
ので、「thatを使えばいいのでは?」と思う人も多いのが事実です。

しかし「that」しか使えない場合や、「that」が使えない場合もあり、実は少し奥深いんです。
今回は、関係代名詞「that」を紐解いていきます。

関係代名詞「that」と混同しやすいthat節に関しては、こちらの記事をご覧下さい。

(1) 主格を表すthat

関係代名詞が、それに続く節の中で主語として機能するものを「主格のthat」と呼びます。
例文で一緒に確認をしてみましょう。

・The old man that lives across the road has recently got married for the fifth time.
(向かいに住んでいる老人は、最近5度目の結婚をした。)

関係代名詞の主格として使う文では、「先行詞 + 関係代名詞that + 動詞」という順番で文が作られます。
この例文の場合、関係代名詞whoを使っても間違いではありません。

(2) 目的格を表すthat

関係代名詞がそれに続く節の中で、目的語の役割を果たすことを「目的格のthat」と呼んでいます。
文章だけでは難しいので、先ほど同様に例文を見ていきましょう。

・Most people have old things (that) they don’t want to throw away. (多くの人は捨てる気になれない古い物を持っている。)

関係代名詞の目的格として使う文章では、「先行詞 + 関係代名詞 + 主語 + 動詞」という順番で作られ、
主格の時にはなかった、主語が追加されます。そして、目的格を表すthatは省略が可能です。

ここまでは関係代名詞thatの大まかな使い方を説明しましたが、次は「関係代名詞that」を使用しなくてはいけない場面を紹介していきます。

関係代名詞thatを使う必要がある場合

その①: 先行詞が人+物(動物)の場合

先行詞が「人+物(動物)」の場合は、関係代名詞はthatを使う必要があります。
早速、例文を見ていきましょう。

・I saw a dog and a girl that were walking in the park. (私は公園で歩いている少女と犬を見ました。)

今回は人+動物でしたが、このような場合はthatを使わないといけない決まりになっています。

その②: 先行詞に、最上級の形容詞(bestなど)やfirst/only/very などが付いている場合

The best / the tallest, first / only / veryなどが先行詞に付随している場合、関係代名詞はthatを使うというルールがあります。

・This is the tallest mountain that I have ever seen. (これは、私が今まで見た中で最も高い山です。)

先行詞が「最高」という強い場合や、「一番」など特定できる場合はthatを関係代名詞を使うことが一般的です。

その③: 先行詞がall/anything/everything/little/much/nothing の場合

先行詞が上記のように「全」または「無」の意味の修飾語を伴う時は、thatが使われる傾向があります。

・ Don’t believe all the gossip that you hear. (耳にする噂をすべて真に受けては受けない。)

このように、all / any / every / no などの合成語が該当するので覚えておきましょう。

その④: 疑問詞Whoの直後に来る場合

誰を示すWhoが来て、すぐ後ろに関係代名詞で文を作る際はthatを使います。

・ Who that has pride in him can stand such an insult? (誇りを持っている人なら、誰がそんな侮辱に耐えられるか?)

疑問詞Whoの後にthatの代わりに関係代名詞who…?となると、見栄えがとても悪いですよね。
このような場合は、関係代名詞whoではなく、関係代名詞thatを使います。

その⑤: 先行詞が人の性質や状態を示す場合

「先行詞が人の性質や状態を表している」=「先行詞が人の性格・職業・地位・特徴を表している」という場合も、
関係代名詞thatを使う傾向にあります。

(例) Bill is not the great athlete that he used to be. (ビルは以前のようなすごいアスリートではありません。)

この例文では先行詞は「athlete」となり、主語「Bill」の性質や状態を示していますね。
それに続く関係詞節「that he used to be」が先行詞の「athlete」の補語になっています。
※補語: 主語がどういう状態かを説明する言葉

このような場合、関係代名詞「that」を一般的に使います。
確かにここで関係代名詞whoなどを利用すると、文章として違和感がありますね。

では逆にどんな場合に、関係代名詞Who/Whichを使うのでしょうか?

関係代名詞thatが使えない場合

非制限用法の場合

「非制限用法」とはそもそもどのような用法でしょうか?
これは、(一応)完結した文の終わりに付け、先行詞について更に説明を加える用法のことです。特徴は以下2つとなります。

◎先行詞と関係代名詞の間にコンマ「,」を置く
◎先行詞は特定の物や人であることが多く、補足的な説明を付ける役割

例題も2つ見てみましょう。

(例1) He has two daughters who are studying music. (彼は音楽を勉強している娘が2人います。)
⇒他にも娘さんがいる可能性もある。

(例2) He has two daughters, who are studying music. (彼は2人の娘がいて、2人とも音楽を勉強しています。)
⇒2人の娘と特定されており、, who…以降の文は娘さんの説明となっています。

このように【非制限用法】の場合、関係代名詞は「that」ではなく先行詞に応じて、, which / , whoを使うことになっています。

まとめ

that節は複雑で、一度に全てを理解することはとても難しい内容になっています。
過去の記事で「thatの様々な用法と見分け方」という記事でも、他の用法などを紹介しているので目を通しておきましょう。

今回の記事のポイントは、

・関係代名詞thatは、なめらかに、正確に修飾文を導く役割を果たす
・目的格を表すthatは、省略することが可能
・関係代名詞thatを使わないといけない場面は、5つほどある
・非制限用法の時は、関係代名詞thatは使えない

関係代名詞thatとthat節の区別はつきましたか?

Metropolitan Academy of English

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