IELTSスピーキングの試験官の採点方法を解析!

IELTSスピーキング試験官はどうやって採点しているの?

IELTSのスピーキングはコンピューター形式でもペーパー形式でも試験官と1対1の面接形式で行われます。

嬉しいことに、大勢の前で話す必要はなく、個室に入って行われます。基本的にはその時のスピーキング試験官が、あなたのスピーキングのスコアをその場で決めます。試験官はレコーディングをしていますが、そのレコーディングは試験官を監視するものであり、再採点の場合などの必要がない限りは録音を聞き直すことはしないと言われています。

受験者一人あたりの所要時間は12~15分。スピーキングの面接は非常に短いです。

こんな短い面接の間に、スピーキングの能力を試験官はどのように採点するか解析していきます。

IELTSスピーキング試験官ってだれ?

スピーキングの試験官はIELTSの母体から派遣される人ではなく、IELTSスピーキング試験官として現地で採用された方です。日本では、日本在住のアメリカ人やカナダ人が試験官になることが多いようです。そしてある一定の地域を受け持つことになります。ネイティブスピーカーが大半ですが、カナダではアクセントを持ったインド人や中国人などの試験官もちらほら見かけるようになりました。試験を何回か受けて同じ試験官に当たることが日本ではあると聞きますが、基本同じ試験官ではいけないとされており、もし当たった場合は、その場で試験官の変更を要請することもできます。

スピーキング試験官のスコアを決め方

実は、IELTSスピーキングでは、厳格な採点基準があり、試験官はきちんとそれに沿ったスコア採点をするように厳しいトレーニングを受け、またしっかりと管理されています。そのため、採点基準に沿った採点でなければならないことになります。IELTSスピーキングの採点基準は4つ。再度確認してみましょう。

  1. 流暢さと一貫性  (fluency and coherence) 
  2. 語彙力  (lexical resources) 
  3. 文法と文法の複雑さ  (grammatical range and accuracy) 
  4. 発音 (pronunciation) 

採点基準の詳細説明

1. 流暢さと一貫性 Fluency & Coherency  ⇦ 重要な採点基準

流暢さとは言葉通り、流暢に英語が話せるか、ということです。つまり「流暢に話す」ということなのですが、それは、沈黙がなく、途切れず、ある一定の長さで話すことを指します。考える時間が長かったり、短い答えだったりすると点数が取れないと言われています。それでもある程度の点数が取りやすいのがスピーキングです。

この「流暢性」が実は一番、重要視される採点基準となっています。

「コミュニケーション力」と考えましょう。

目標スコアが6.0の場合、きちんと質問を理解して、答えるということだけに専念しましょう。難しいアカデミック用語や関係代名詞などの複雑な文法を使う必要はありません。文法を間違いが多少あっても、語彙力に問題があっても、ある程度話すことができれば6.0くらいまでは簡単に取れてしまうでしょう。コミュニケーションの妨げとなる発音の間違いや文法の間違いがあれば別です。

気をつけることは、流暢イコールスピードを重視する方がいらっしゃいますが、スピードとは全く関係がありません。流暢さと早く話せることは異なります。ゆっくりでもしっかりとアウトプットできる人は同様に6.0ぐらいの点数は直ぐにとれるようになります。

実際の日常生活でのコミュニケーション力を図る試験ですので、カジュアルに話せばよいということになります。
まず、どのような質問でもさっと途切れなく答えることができるかに注意して日頃から練習しましょう。

一貫性とは何でしょうか?

論理性とも言われますが、論理的な話の展開になっているかということです。
つまり聞かれたことに具体的にわかりやすい流れで答えられているかが採点されます。

“uses a range of connectives and discourse markers but not always appropriately”

discourse markers とは、文章と文章を繋げる役割をする接続詞(接続副詞)のことで、その使い方が正しく適切であるかが問われます。例としては下記のようなものがあります。

【逆接】=前の文章と逆のことが言いたい場合
however(しかし)
nonetheless(それにもかかわらず)
yet(しかし)
still(それでも)

【順接】=情報を付け加える
moreover(さらに)
furthermore(さらに)
in addition(加えて)

こういったものを効果的に使えると、話の流れが分かりやすくなるため、論理一貫性のポイントが上がるというわけです。

2. 語彙力 Lexical Resources ⇦ それほど重要でない採点基準

語彙力はあるに越したことはないですが、ある程度カジュアルな日常英会話ができれば問題なし。簡単な単語が出てこないようであれば、それはアウトプットの練習が必要です。パート1では特に日常的で身近な話題が多いのでここで詰まらないようにしましょう。

パート3では多少難しい課題に対して答えなければならないので、環境問題、社会問題、テクノロジー、ソーシャルネットワークなどの課題に対する知識や語彙があると良いでしょう。高得点を目指す方はトピック別単語として頭に入れておくべきところです。

3. 文法と文法の複雑さ Grammatical Range and Accuracy  ⇦ それほど重要でない採点基準

ここは、複文、重複文などの文構造や、文法的に正しい文かどうかが判断されます。コミュニケーションの妨げになるほどの文法間違いがない限りは、文法は気にせず、話しまくりましょう。しかし、単文ばかりでは話されると分かりずらくなります。例えば

I went to the park. It is close to my home. It is big. There are lot of people. になってしまいます。

そうではなく、when, while, and などを使って、ある程度の長さで話せれば問題はありません。

I went to the big park close to my home and there are lot of people there. のようにします。英国圏では effective speaking と言います。

関係代名詞などを使い長くすることができればもっと良いですが、6.0ぐらいを目指している方であれば複雑な文にすることはあまり考えなくてよいでしょう。

4. 発音 Pronunciation  ⇦ それほど重要でない採点基準

発音の採点基準は、まず受験者の話ていることが理解できるくらいの発音であれば問題はないでしょう。単語のアクセントが間違っているとネイティブには伝わらないこともありますので、正しいアクセントであることも大事ですが、ちゃんとはっきりと発音することが大事です。enunciation と言います。明瞭な話し方,はっきりした発声には気を付けましょう。

その他、文章に抑揚(強弱)をつける、つまりイントネーションを付けることで分かりやすく明瞭に話すことができます。文にイントネーションがなく、早く話されるとネイティブスピーカーには分かってもらえない事があります。

最後に発声です。声は大きすぎず、小さすぎずで対応しましょう。少し大きめぐらいがちょうど良いでしょう。普段から鏡の前で発声する練習をすることが効果的です。

まとめ

IELTSスピーキング試験官は厳密に決められた採点基準に沿って、スピーキングをその場で採点します。4つの採点基準で一番大事なのは流暢さと一貫性。ポイントを抑えた練習で無駄な努力を省き、いち早く目標スコアに達成しましょう。6.0は無理なくとれるようであれば、その他の採点基準を強化することで高得点を狙えるでしょう。

Metropolitan Academy of English

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